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研究レポート No.026

作業療法士の転職サイトおすすめ比較|タイプ別の選び方を研究所が解説

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「今の病院のままで作業療法士として専門性を積めるのか」「訪問や地域包括ケアの分野に挑戦したいが、今の職場では経験できない」。そんな迷いを抱えて作業療法士の転職サイトを検索しても、似たようなランキング記事ばかりで、自分にとっての「おすすめ」が見えてこない——当研究所にも、こうした相談が多く届きます。

先に結論です。作業療法士の転職サイトは「PT・OT・ST全体を広く扱う全国型エージェント」と「対応エリアを絞ったエージェント」を組み合わせて使うのが基本です。ランキングの順位よりも、希望する勤務地と分野(身体障害・精神障害・発達障害・老年期など)に対応しているかで選ぶほうが、紹介される求人の質が上がります。この記事では、厚生労働省のデータで作業療法士の労働市場を確認したうえで、タイプ別の選び方を研究します。

この研究レポートの目次

  1. 結論:対応エリア×対応職種のタイプで選ぶ
  2. まず押さえたい、作業療法士の転職市場(厚労省job tagデータ)
  3. 作業療法士向け転職サービスの2タイプ
  4. 主な転職サービスの比較(公式情報ベース)
  5. 目的別の選び方:エリア・分野・資格
  6. 転職サイトを使うときの注意点
  7. まとめ
  8. 出典

結論:対応エリア×対応職種のタイプで選ぶ

「作業療法士 転職サイト ランキング」で検索すると、順位づけされた記事が多く出てきます。しかし、転職サービスは運営会社ごとに対応エリアや得意分野が違うため、順位よりも「自分の希望に合うか」で選ぶほうが合理的です。

タイプ 向いている人 特徴
全国型エージェント(PT・OT・ST特化) 勤務地をこれから広く検討したい人、地方での転職も考えている人 全国の求人を扱い、担当者がリハビリ職の働き方を理解している
エリア特化型エージェント 希望エリアが決まっている人(都市部など) 対応エリア内の施設情報に詳しいことが多い

迷ったら、まず全国型に1つ登録して希望条件を伝え、紹介される求人の傾向を確かめる。希望エリアが都市部に限られているなら、エリア特化型も併せて登録すると、同じエリアの求人を多角的に比較できます。

まず押さえたい、作業療法士の転職市場(厚労省job tagデータ)

転職サイトを選ぶ前に、作業療法士の「相場」を公的データで確認しておきましょう。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、次の数字が公表されています。

項目 全国の値 出典
賃金(年収) 443.6万円 job tag「作業療法士(OT)」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに加工)
平均年齢 35.5歳 同上
月の労働時間 159時間 同上
就業者数 101,270人 同上(国勢調査をもとに加工)
有効求人倍率 4.26倍 同上(令和7年度ハローワーク求人統計をもとに加工)

有効求人倍率4.26倍という数字は、求職者1人に対して求人が4件以上ある計算で、全職業の有効求人倍率と比べても高い水準です。作業療法士は、理学療法士(PT)と同じく「求人が少なくて困る」職種ではなく、「求人の数は多いが、条件のよい求人を見極めにくい」状況にあるといえます。理学療法士の転職市場やサービス比較は、別記事「理学療法士の転職サイトおすすめ比較」でも整理していますので、PTとの違いが気になる人は読み比べてみてください。

職能団体である日本作業療法士協会の会員統計資料(2023年度)によると、登録会員数は63,934名で、男性25,004名(39.1%)、女性38,930名(60.9%)という構成です。作業療法士は女性の比率が高い職種であり、産休・育休後の復職や、働き方の見直しを考えて転職サイトを検討する人も少なくありません。

所長モヤ

所長モヤのひとこと

求人倍率が高いからこそ、「数で比べる」より「条件で比べる」姿勢が大事です。求人が多い=良い求人が多いとは限りません。

作業療法士向け転職サービスの2タイプ

全国型エージェント:対応分野の幅が広い

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(PT・OT・ST)に特化し、全国の求人を扱うタイプです。担当者がリハビリ職の働き方や施設ごとの体制を理解していることが多く、「身体障害分野から精神科領域に移りたい」「病院からデイケアに移りたい」といった希望を伝えやすいのが強みです。地方への転職を考えている人にも選択肢が多くなります。

エリア特化型エージェント:都市部の施設情報に詳しい

対応エリアを一部の都道府県に絞って運営するタイプです。エリアを絞る分、担当者がそのエリアの施設の特徴や採用事情に詳しいことがあります。希望エリアが対応範囲に含まれているかを、登録前に公式サイトで確認しておく必要があります。

主な転職サービスの比較(公式情報ベース)

ここでは、各サービスが公式サイトで公表している情報だけを並べました。求人数や対応エリアは時期によって変わるため、登録前に公式サイトで最新の情報を確認してください。

サービス 運営会社 対応職種 対応エリア 形態 職業紹介の許可番号
PT・OT・ST WORKER 株式会社トライトキャリア 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・柔道整復師 全国 エージェント型(正社員・契約社員・パート) 厚生労働大臣許可 27-ユ-305209
レバウェルリハビリ レバウェル株式会社 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 対応エリアは拠点のあるエリアに限られる(登録前に公式サイトで要確認) エージェント型 厚生労働大臣許可 13-ユ-309623

2つのサービスは、どちらもPT・OT・ST(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)を対象にしていますが、対応エリアの考え方が違います。PT・OT・ST WORKERは全国の求人を扱っているのに対し、レバウェルリハビリは対応エリアが限られます。希望の勤務地が対応エリアに含まれているかどうかが、最初に確認すべき点です。

また、同じ「対応エリア」という言葉でも、「拠点があるエリア」と「求人を紹介できるエリア」は必ずしも一致しません。電話やオンライン面談を組み合わせることで、拠点のないエリアの求人も紹介できる場合があります。気になる求人が対応エリア外に見える場合も、問い合わせの段階で確認してみる価値はあります。公表されている求人数や取扱職種の範囲も時期によって更新されるため、比較表の数字はあくまで確認時点の目安として捉え、応募前には必ず公式サイトの最新情報を見るようにしましょう。

目的別の選び方:エリア・分野・資格

同じ作業療法士の転職でも、希望する条件によって相性のよいサービスは変わります。

目的 相性がよいタイプ 面談で確認したいこと
地方・郊外も含めて幅広く探したい 全国型エージェント 対応している都道府県、拠点までの距離
都市部で、施設の詳しい情報も知りたい 全国型+エリア特化型 対象エリアに含まれるか、エリア内の求人の傾向
特定分野(高次脳機能障害・精神科・訪問など)を伸ばしたい 全国型エージェント その分野の経験者が多い施設か、研修体制があるか

job tagによると、作業療法士は病院・診療所のほか、介護老人保健施設、障害福祉サービス事業所、訪問リハビリテーション事業所など、働く場が多岐にわたります。対応する障害も、身体障害(関節の損傷など)、精神障害(アルコール依存症など)、発達障害(脳性麻痺など)、老年期障害(認知症・高次脳機能障害など)と幅広いのが特徴です。「どの障害領域・どの場で働きたいか」を先に決めておくと、担当者との面談がスムーズになります。

日本作業療法士協会は、臨床経験を重ねた作業療法士向けに「認定作業療法士」「専門作業療法士」という生涯教育制度を設けています。専門作業療法士の分野は、福祉用具・認知症・手外科・特別支援教育・高次脳機能障害・精神科急性期・摂食嚥下・訪問・がん・就労支援・脳血管障害の11分野です。転職を考えるタイミングで「今後どの分野を専門にしたいか」を言葉にしておくと、研修制度が整った職場を探す際の軸になります。資格の取得状況や取得意欲は、転職エージェントとの面談でも伝えておくとよいポイントです。

所長モヤ

所長モヤのひとこと

「急性期がつらいから辞めたい」だけで終わらせず、「次はどの障害領域・どの場で働きたいか」まで言葉にできると、紹介の精度が変わります。

転職サイトを使うときの注意点

面談の前に、経験を棚卸ししておく

作業療法士の経験は、同じ年数でも「どの障害領域をどれだけ経験してきたか」で評価が変わります。担当者との面談の前に、次の項目をメモしておくと、紹介される求人がぐっと具体的になります。

整理しておく項目 書き方の例
経験してきた障害領域 身体障害・精神障害・発達障害・老年期(認知症・高次脳機能障害)など
担当してきた対象者層 年齢層、重症度、1日あたりの担当件数
取得している認定・専門資格 日本作業療法士協会の認定作業療法士・専門作業療法士など、名称と取得年
勤務体制の経験 夜勤・当直の有無、訪問リハビリの移動範囲

特に訪問や地域包括ケアの経験は、生活期の求人で重視されることが多い分野です。未経験の領域に移りたい場合も、「何をやってきて、次に何を身につけたいか」を言葉にしておくと、教育体制のある職場を探してもらいやすくなります。

経験年数によっても、面談で重視されるポイントは変わります。経験が浅いうちは「どんな教育体制で、どの先輩から何を学んだか」を具体的に話せると、次の職場でも同じように育ててもらえるかを担当者が判断しやすくなります。経験を積んでからの転職では、「後輩の指導をどこまで担当したか」「委員会やカンファレンスでの役割」など、臨床以外の経験も伝えると、管理職候補としての求人にもつながりやすくなります。

登録から内定までに気をつけたいこと

なお、心身の不調で今の職場がつらい場合は、転職より先に休むことや、医療機関・相談窓口に相談することも大切な選択肢です。転職はあくまで選択肢の一つであり、今すぐ決める必要はありません。

まとめ

作業療法士の転職サイト選びは、「ランキング1位はどれか」ではなく「自分の希望エリア・分野にどのタイプが合うか」で考えるのが近道です。

有効求人倍率4.26倍という数字が示すとおり、作業療法士の求人は数としては豊富にあります。焦らず、在職中に情報を集めるところから始めてみてください。

出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報の整理です。給与・求人状況は地域や時期で変わるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。