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研究レポート No.034

鍼灸師の転職サイトおすすめ比較|エージェント型と求人サイト型の選び方

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「鍼灸院での勤務を続けるか、条件のいい別の院に移るか」「このまま鍼灸師を続けるか、別の業界に挑戦するか」。どちらで迷っても、転職サイトを検索すると似たようなランキング記事が並び、結局どれに登録すればいいのか分かりにくいものです。

先に結論です。鍼灸師の転職サービスは「担当者が求人を紹介するエージェント型」と「自分で求人を検索して応募する求人サイト型」の2タイプに分かれ、まずは両方に登録して比較するのが基本です。ランキングの順位よりも、自分がどちらの探し方に合うかで選んだほうが、紹介・応募できる求人の質が上がります。この記事では、厚生労働省のデータで鍼灸師の転職市場を確認したうえで、タイプ別の選び方を研究します。

この研究レポートの目次

  1. 結論:エージェント型と求人サイト型を組み合わせて選ぶ
  2. まず押さえたい、鍼灸師の転職市場(厚労省データ)
  3. 鍼灸師向け転職サービスの2タイプ
  4. 主な転職サービスの比較(公式情報ベース)
  5. 目的別の選び方:今の働き方・悩み別
  6. 転職サイトを使うときの注意点
  7. まとめ
  8. 出典

結論:エージェント型と求人サイト型を組み合わせて選ぶ

「鍼灸師 転職サイト ランキング」で検索すると、順位づけされた記事が多く出てきます。しかし、転職サービスは仕組みそのものが違うため、順位よりも「自分が求める支援の種類」で選ぶほうが合理的です。

タイプ 向いている人 特徴
エージェント型(人材紹介会社) 担当者に希望条件や悩みを相談しながら探したい人 担当者が希望を聞いて求人を紹介。条件交渉の相談ができる会社もある
求人サイト型(直接応募型) 自分のペースで求人を比較し、気になった求人に直接応募したい人 掲載されている求人を自分で検索・比較し、施設へ直接応募する

迷ったら、まずエージェント型に登録して希望条件を伝え、紹介される求人の傾向を確かめましょう。働きたいエリアや、鍼灸院・病院・介護施設など働く場のイメージがある程度見えているなら、求人サイト型も併用して同じエリアの求人を多角的に比較すると、選択肢が広がります。

まず押さえたい、鍼灸師の転職市場(厚労省データ)

転職サイトを選ぶ前に、鍼灸師の「相場」を公的データで確認しておきましょう。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、次の数字が公表されています。

項目 全国の値 出典
賃金(年収) 454.2万円 job tag「はり師・きゅう師」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに加工)
平均年齢 37.6歳 同上
月の労働時間 159時間 同上
就業者数 118,210人 同上(令和2年国勢調査をもとに加工)
ハローワークの求人賃金(月額) 27.5万円 同上(令和7年度ハローワーク求人統計をもとに加工)
有効求人倍率 1.05倍 同上(令和7年度)

有効求人倍率1.05倍は、求職者1人に対して求人がほぼ1件という計算です。同じ職業情報提供サイトで確認できる柔道整復師の有効求人倍率(3.17倍)と比べると、鍼灸師の求人は「数で選べる」というより「条件を見極めて選ぶ」色合いが強い市場だと分かります。また、ハローワークの求人賃金(月額27.5万円)は、年収統計(454.2万円)を12で割った金額よりやや低めに出ています。年収統計には経験年数の長い人や、院長・管理職クラスの給与も含まれているため、求人票の月給だけを見ると今の給与より低く見えることがある点には注意が必要です。賞与や、施術実績に応じたインセンティブの有無は、求人票だけでは分かりにくい部分でもあります。

公益社団法人日本鍼灸師会によると、鍼灸は経穴(ツボ)に鍼を刺入したり、もぐさを燃焼させて熱刺激を与えたりすることで、身体に備わった治癒力を高める治療法です。施術には「はり師」「きゅう師」の国家資格が必要で、専門学校や大学などで3年以上学び、国家試験に合格して取得します。働く場は鍼灸院・接骨院だけでなく、病院・診療所のリハビリ部門、介護・福祉施設、スポーツ現場など多岐にわたる点も特徴です。

所長モヤ

所長モヤのひとこと

求人倍率が1倍前後ということは、求人の「数」で選べる柔道整復師とは事情が少し違います。鍼灸師は「自分の経験や得意分野に合う求人かどうか」を丁寧に見比べる姿勢が、より大事になります。

鍼灸師向け転職サービスの2タイプ

エージェント型:担当者に相談しながら探せる

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師などを対象に、人材紹介会社の担当者が希望条件を聞いて求人を紹介するタイプです。鍼灸院だけでなく、病院や診療所、介護施設など働く場の選択肢を担当者から提案してもらえることがあります。条件交渉や、求人票に書かれていない勤務実態の確認を相談できるのが強みです。

求人サイト型(直接応募型):自分のペースで比較できる

掲載されている求人を自分で検索・比較し、気になった施設に直接応募するタイプです。エリアや雇用形態、給与条件などで絞り込みながら、自分のペースで多くの求人を見比べられます。担当者を介さない分、応募から面接までのやり取りを自分で進める必要があります。

主な転職サービスの比較(公式情報ベース)

ここでは、各サービスが公式サイトで公表している情報だけを並べました。求人数や対応エリアは時期によって変わるため、応募前に公式サイトで最新の情報を確認してください。

サービス タイプ 運営会社 対応職種 対応エリア 雇用形態 公表している求人数 職業紹介の許可番号
レバウェル治療家 エージェント型(人材紹介) レバウェル株式会社 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・整体師など 公式サイトに明記なし(郵便番号を入力して求人を探す形式。登録前に要確認) 常勤・非常勤(パート) 公式に記載なし 厚生労働大臣許可 13-ユ-309623
ジョブメドレー 求人サイト型(直接応募型) 株式会社メドレー 鍼灸師ほか医療・介護・保育の職種 全国47都道府県 正職員・契約職員・パート・バイト・業務委託 鍼灸師の求人 約10,064件(2026年10月時点・公式サイト表示件数) 有料職業紹介事業 13-ユ-304334

2つのサービスは仕組みが大きく異なります。レバウェル治療家は人材紹介会社の担当者が希望を聞いて求人を紹介するエージェント型で、職業紹介の許可番号が公式に明示されています。一方、ジョブメドレーは掲載されている求人に自分で検索・応募する求人サイト型で、鍼灸師の求人数が多く公開されているのが特徴です。「担当者に相談しながら探したいか」「自分のペースで多くの求人を見比べたいか」で、合うタイプが変わります。

レバウェル治療家は鍼灸師に加え、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・整体師なども対象にしているため、複数の資格を持つ人や、鍼灸以外の手技にも関わりたい人にも相談しやすいサービスです。対応エリアについては公式サイトに明記がなく、郵便番号を入力して求人を検索する形式になっているため、希望エリアの求人があるかどうかは登録・問い合わせの段階で確認するのが確実です。公表されている求人数も時期によって更新されるため、比較表の数字はあくまで確認時点の目安として捉えてください。なお、柔道整復師の転職サイト選びについては、別の記事「柔道整復師の転職サイトおすすめ比較|エージェント型と求人サイト型の選び方」でも同じ2タイプの考え方を研究しています。

目的別の選び方:今の働き方・悩み別

同じ鍼灸師の転職でも、今の状況によって相性のよいタイプは変わります。

今の状況 相性がよいタイプ 確認したいこと
今の院の何が不満かまだ整理できていない エージェント型 担当者に不満点を伝え、他院の勤務体制との違いを聞く
鍼灸院から病院・診療所、介護施設など場を変えたい エージェント型+求人サイト型 希望する施設の種類の求人を、両方のタイプで探してみる
勤務エリア・給与条件がすでに決まっている 求人サイト型 希望エリア・条件で絞り込み、求人票の記載内容を比較
鍼灸・治療の仕事自体から離れ、他業種に挑戦したい どちらも対象外(一般の転職エージェントを検討) 治療家専門サービスは臨床現場の求人が中心。業種を問わず探す場合は、守備範囲の広い一般の転職サービスのほうが選択肢が見つかりやすい

鍼灸師の現場は、保険診療中心の院、自費施術中心の院、病院・診療所でのリハビリ補助、介護・福祉施設での機能訓練指導など、施設によって業務内容や収入の仕組みが大きく異なります。「今のどこがつらくて、次はどの施設でどういう施術・業務に関わりたいか」を先に言葉にしておくと、エージェントとの面談も、求人サイトでの比較もスムーズになります。一方で、鍼灸や治療の仕事そのものから離れて他業種に進みたい場合は、レバウェル治療家やジョブメドレーのような治療家専門・医療福祉専門のサービスではなく、業種を限定しない一般の転職エージェントや求人サイトのほうが、選択肢の幅が広がりやすい点も押さえておきましょう。

所長モヤ

所長モヤのひとこと

「保険診療の件数がつらいから辞めたい」で終わらせず、「次は自費中心か、鍼灸以外の業種か」まで整理できると、相談するサービスの選び方自体が変わってきます。

転職サイトを使うときの注意点

面談・応募の前に、経験を棚卸ししておく

鍼灸師の経験は、同じ年数でも「どの施設で、どんな施術・業務をどれだけ経験してきたか」で評価が変わります。面談や応募の前に、次の項目をメモしておくと話がスムーズです。

整理しておく項目 書き方の例
経験してきた施設の種類 鍼灸院(保険診療中心・自費施術中心)、病院・診療所、介護・福祉施設、スポーツ現場など
担当してきた施術・業務の内容 はり・きゅうの手技、物理療法、カウンセリング、1日あたりの担当患者数
保有資格・研修の受講歴 はり師・きゅう師免許の取得年、あん摩マッサージ指圧師など他資格の有無
独立・開業への関心 将来的に開業を考えているか、分院長クラスの経験があるか

特に、将来の独立・開業を考えているかどうかは、紹介される求人の方向性に関わる部分です。開業を見据えている場合は、経営や自費施術のノウハウを学べる院を希望するなど、具体的な条件を早い段階で伝えておくと、ミスマッチを減らせます。

登録・応募から内定までに気をつけたいこと

なお、心身の不調で今の職場がつらい場合は、転職だけを唯一の解決策にせず、まずは医療機関や地域の相談窓口に相談することも大切な選択肢です。

まとめ

鍼灸師の転職サイト選びは、「ランキング1位はどれか」ではなく「エージェント型と求人サイト型のどちらが今の自分に合うか」で考えるのが近道です。

有効求人倍率1.05倍という数字が示すとおり、鍼灸師の転職市場は求人の数で選べるほど余裕のある状況ではありません。焦らず、在職中に情報を集めるところから始めてみてください。

あわせて読みたい:柔道整復師・鍼灸師の研究レポート

出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報の整理です。給与・求人状況は地域や時期で変わるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。