「このまま接骨院で勤務を続けていいのか」「もっと給与や教育体制が整った職場に移りたい」。そう感じて柔道整復師の転職サイトを検索しても、似たようなランキング記事ばかりで、結局どれに登録すればいいのか分からない——当研究所にも、そうした相談がよく届きます。
先に結論です。柔道整復師の転職サービスは「求人を紹介するエージェント型」と「求人を掲載して自分で探す求人サイト型(直接応募型)」の2タイプがあり、両方を組み合わせて使うのが基本です。ランキングの順位よりも、自分の希望条件に合うタイプを選ぶほうが、紹介・応募できる求人の質が上がります。この記事では、厚生労働省のデータで柔道整復師の転職市場を確認したうえで、タイプ別の選び方を研究します。
- 結論:エージェント型と求人サイト型を組み合わせて選ぶ
- まず押さえたい、柔道整復師の転職市場(厚労省データ)
- 柔道整復師向け転職サービスの2タイプ
- 主な転職サービスの比較(公式情報ベース)
- 目的別の選び方:今の働き方・悩み別
- 転職サイトを使うときの注意点
- まとめ
- 出典
結論:エージェント型と求人サイト型を組み合わせて選ぶ
「柔道整復師 転職サイト ランキング」で検索すると、順位づけされた記事が多く出てきます。しかし、転職サービスは仕組みそのものが違うため、順位よりも「自分が求める支援の種類」で選ぶほうが合理的です。
| タイプ | 向いている人 | 特徴 |
|---|---|---|
| エージェント型(人材紹介会社) | 非公開のやり取りを含め、担当者に希望条件を相談しながら探したい人 | 担当者が希望を聞いて求人を紹介。条件交渉の相談ができる会社もある |
| 求人サイト型(直接応募型) | 自分のペースで求人を比較し、気になった求人に直接応募したい人 | 掲載されている求人を自分で検索・比較し、施設へ直接応募する |
迷ったら、まずエージェント型に登録して希望条件を伝え、紹介される求人の傾向を確かめましょう。働きたいエリアや施術の方向性がある程度見えているなら、求人サイト型も併用して同じエリアの求人を多角的に比較すると、選択肢が広がります。
まず押さえたい、柔道整復師の転職市場(厚労省データ)
転職サイトを選ぶ前に、柔道整復師の「相場」を公的データで確認しておきましょう。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、次の数字が公表されています。
| 項目 | 全国の値 | 出典 |
|---|---|---|
| 賃金(年収) | 454.2万円 | job tag「柔道整復師」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに加工) |
| 平均年齢 | 37.6歳 | 同上 |
| 月の労働時間 | 159時間 | 同上 |
| 就業者数 | 118,210人 | 同上(令和2年国勢調査をもとに加工) |
| ハローワークの求人賃金(月額) | 27.8万円 | 同上(令和7年度ハローワーク求人統計をもとに加工) |
| 有効求人倍率 | 3.17倍 | 同上(令和7年度) |
有効求人倍率3.17倍という数字は、求職者1人に対して求人が3件以上ある計算で、求人の数自体は豊富にある職種だと分かります。一方で、ハローワークの求人賃金(月額27.8万円)は、年収統計(454.2万円)を12で割った金額より低めに出ています。年収統計には経験年数の長い人や、院長・管理職の給与も含まれているため、求人票の月給だけを見ると今の給与より低く見えることがある点には注意が必要です。賞与や、施術実績に応じたインセンティブの有無は、求人票だけでは分かりにくい部分でもあります。
公益社団法人日本柔道整復師会によると、柔道整復師は骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といった外傷に対し、手技を中心とした柔道整復術で治療を行う国家資格です。医師以外では単独で骨折・脱臼の整復固定が認められている数少ない医療系国家資格であり、独立開業(接骨院)のほか、病院・診療所、介護・福祉施設、スポーツ現場など働く場が多岐にわたる点も特徴です。
所長モヤのひとこと
求人倍率が高いからこそ、「数で比べる」より「条件で比べる」姿勢が大事です。求人が多い=自分に合う求人が多いとは限りません。
柔道整復師向け転職サービスの2タイプ
エージェント型:担当者に相談しながら探せる
柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師などを対象に、人材紹介会社の担当者が希望条件を聞いて求人を紹介するタイプです。接骨院・整骨院だけでなく、病院や診療所、スポーツ施設など働く場の選択肢を担当者から提案してもらえることがあります。条件交渉や、求人票に書かれていない勤務実態の確認を相談できるのが強みです。
求人サイト型(直接応募型):自分のペースで比較できる
掲載されている求人を自分で検索・比較し、気になった施設に直接応募するタイプです。エリアや雇用形態、給与条件などで絞り込みながら、自分のペースで多くの求人を見比べられます。担当者を介さない分、応募から面接までのやり取りを自分で進める必要があります。
主な転職サービスの比較(公式情報ベース)
ここでは、各サービスが公式サイトで公表している情報だけを並べました。求人数や対応エリアは時期によって変わるため、応募前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
| サービス | タイプ | 運営会社 | 対応職種 | 対応エリア | 雇用形態 | 公表している求人数 | 職業紹介の許可番号 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| レバウェル治療家 | エージェント型(人材紹介) | レバウェル株式会社 | 柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・整体師など | 公式サイトに明記なし(郵便番号を入力して求人を探す形式。登録前に要確認) | 常勤・非常勤(パート) | 公式に記載なし | 厚生労働大臣許可 13-ユ-309623 |
| ジョブメドレー | 求人サイト型(直接応募型) | 株式会社メドレー | 柔道整復師ほか医療・介護・保育の職種 | 全国47都道府県 | 正職員・契約職員・パート・業務委託 | 柔道整復師の求人 約11,000件(2026年10月時点・公式サイト表示件数) | 有料職業紹介事業 13-ユ-304334 |
2つのサービスは仕組みが大きく異なります。レバウェル治療家は人材紹介会社の担当者が希望を聞いて求人を紹介するエージェント型で、職業紹介の許可番号が公式に明示されています。一方、ジョブメドレーは掲載されている求人に自分で検索・応募する求人サイト型で、柔道整復師の求人数が多く公開されているのが特徴です。「担当者に相談しながら探したいか」「自分のペースで多くの求人を見比べたいか」で、合うタイプが変わります。
レバウェル治療家は柔道整復師に加え、あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・整体師なども対象にしているため、複数の資格を持つ人や、今後鍼灸の施術にも関わりたい人にも相談しやすいサービスです。対応エリアについては公式サイトに明記がなく、郵便番号を入力して求人を検索する形式になっているため、希望エリアの求人があるかどうかは登録・問い合わせの段階で確認するのが確実です。公表されている求人数も時期によって更新されるため、比較表の数字はあくまで確認時点の目安として捉えてください。
目的別の選び方:今の働き方・悩み別
同じ柔道整復師の転職でも、今の状況によって相性のよいタイプは変わります。
| 今の状況 | 相性がよいタイプ | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 今の院の何が不満かまだ整理できていない | エージェント型 | 担当者に不満点を伝え、他院の勤務体制との違いを聞く |
| 接骨院から病院・診療所、スポーツ現場など場を変えたい | エージェント型+求人サイト型 | 希望する施設の種類の求人を、両方のタイプで探してみる |
| 勤務エリア・給与条件がすでに決まっている | 求人サイト型 | 希望エリア・条件で絞り込み、求人票の記載内容を比較 |
柔道整復師の現場は、保険診療中心の接骨院、自費施術中心の院、病院・診療所でのリハビリ補助、スポーツチームのトレーナー業務など、施設によって業務内容や収入の仕組みが大きく異なります。「今のどこがつらくて、次はどの施設でどういう施術・業務に関わりたいか」を先に言葉にしておくと、エージェントとの面談も、求人サイトでの比較もスムーズになります。
所長モヤのひとこと
「保険診療のノルマがつらいから辞めたい」で終わらせず、「次は自費中心か、保険診療でも件数の少ない院がいいか」まで整理できると、紹介される求人の精度が変わります。
転職サイトを使うときの注意点
面談・応募の前に、経験を棚卸ししておく
柔道整復師の経験は、同じ年数でも「どの施設で、どんな施術・業務をどれだけ経験してきたか」で評価が変わります。面談や応募の前に、次の項目をメモしておくと話がスムーズです。
| 整理しておく項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 経験してきた施設の種類 | 接骨院(保険診療中心・自費施術中心)、病院・診療所、介護・福祉施設、スポーツ現場など |
| 担当してきた施術・業務の内容 | 手技療法、物理療法、トレーニング指導、1日あたりの担当患者数 |
| 保有資格・実務者研修の受講歴 | 柔道整復師免許の取得年、受領委任の実務者研修受講歴など |
| 独立・開業への関心 | 将来的に開業を考えているか、分院長・管理柔道整復師の経験があるか |
特に、将来の独立・開業を考えているかどうかは、紹介される求人の方向性に関わる部分です。開業を見据えている場合は、経営や自費施術のノウハウを学べる院を希望するなど、具体的な条件を早い段階で伝えておくと、ミスマッチを減らせます。
登録・応募から内定までに気をつけたいこと
- 登録・応募は数を絞る。エージェントへの登録や求人サイトへの応募が多すぎると、連絡対応だけで疲れてしまいます。
- 希望条件に優先順位をつける。「給与」「施設の種類」「保険診療と自費施術の比率」「通勤時間」のうち、譲れないものを1〜2個に絞って伝えます。
- 紹介・選考結果は断ってもよい。合わない求人や条件は、理由を添えて断るほうが次の案内の精度が上がります。
- 在職中に動き始める。辞めてから探すと、焦って条件を妥協しがちです。情報収集だけなら在職中でも十分にできます。
なお、心身の不調で今の職場がつらい場合は、転職だけを唯一の解決策にせず、まずは医療機関や地域の相談窓口に相談することも大切な選択肢です。
まとめ
柔道整復師の転職サイト選びは、「ランキング1位はどれか」ではなく「エージェント型と求人サイト型のどちらが今の自分に合うか」で考えるのが近道です。
- 担当者に相談しながら探したいなら、まずエージェント型に登録して希望条件を伝える
- 自分のペースで多くの求人を比較したいなら、求人サイト型も併用する
- 給与は求人票の月給だけでなく、賞与やインセンティブの有無も含めて比べる(全国の年収は454.2万円:job tag)
有効求人倍率3.17倍という数字が示すとおり、柔道整復師の求人は数としては豊富にあります。焦らず、在職中に情報を集めるところから始めてみてください。
出典
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「柔道整復師」(2026年10月閲覧)
- 公益社団法人 日本柔道整復師会「柔道整復師とは」(2026年10月閲覧)
- 一般社団法人 日本人材紹介事業協会「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者」認定情報(レバウェル株式会社)(2026年10月閲覧)
- レバウェル治療家 公式サイト(2026年10月閲覧)
- ジョブメドレー「柔道整復師求人・転職・給与」(2026年10月閲覧)
- 株式会社メドレー「職業安定法第32条の13に基づく開示事項」(2026年10月閲覧)
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報の整理です。給与・求人状況は地域や時期で変わるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。