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研究レポート No.037

看護師2年目で辞めたいと感じる理由とデータで見る他の仕事の選択肢

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1年目はがむしゃらに乗り越えたのに、2年目になった途端「もうできるよね」という目で見られるようになり、急に息苦しくなった——そう感じて「辞めたい」と検索する看護師は少なくありません。結論からお伝えすると、看護師2年目の「辞めたい」は、1年目とは違う種類の負荷(先輩の支援が薄くなる、一人で任される業務量が増える、死に関わる場面への対応が増えるなど)が重なりやすい時期特有の反応であり、学術研究でもその実態が報告されています。この記事では、2年目看護師を対象にした研究や厚生労働省・日本看護協会のデータをもとに、辞めたい理由の整理と、看護師資格を活かせる「他の仕事」という選択肢、辞める前に確認しておきたい法律のルールを研究所が整理しました。

この研究レポートの目次

  1. 結論:看護師2年目の「辞めたい」は、支えが薄くなる時期特有の反応です
  2. なぜ2年目は1年目よりつらく感じやすいのか——研究が示す「2年目のリアリティショック」
  3. 知恵袋などでよく見る「辞めたい理由」を整理する
  4. 「他の仕事」を考えるなら——看護師資格を活かせる選択肢を比較する
  5. 辞める前に確認しておきたい法律と職場のルール
  6. 今の職場に残る・院内異動する・転職する、判断の軸
  7. 心身の不調を感じているときに優先したいこと
  8. まとめ
  9. 出典

結論:看護師2年目の「辞めたい」は、支えが薄くなる時期特有の反応です

日本看護協会の「2025年病院看護実態調査報告書」によると、2024年度の正規雇用看護職員全体の離職率は11.0%(前年度比0.3ポイント低下)でした。このうち新卒採用看護職員の離職率は8.4%、既卒採用看護職員の離職率は16.1%です。ただし、この調査は「卒後何年目か」という区分での離職率は公表していません。つまり「2年目だけの離職率」という数字は現時点では存在せず、2年目の「辞めたい」という悩みの多さを、この離職率データだけで測ることはできないという前提をまず確認しておく必要があります。

項目 数値 出典
正規雇用看護職員全体の離職率 11.0%(2024年度、前年度比0.3ポイント低下) 日本看護協会「2025年病院看護実態調査報告書」
新卒採用看護職員の離職率 8.4%(2024年度) 同上
既卒採用看護職員の離職率 16.1%(2024年度) 同上
看護師の年収 524.7万円 厚生労働省 job tag「看護師」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに加工)
看護師の有効求人倍率 2.38倍(令和7年度) 同上

一方で、2年目看護師を対象にした学術研究では、2年目特有の負荷が具体的に報告されています。次の章で詳しく見ていきますが、「辞めたい」と感じていることと「実際に辞めるべきかどうか」は別の問題です。まずは今の辞めたさがどこから来ているのかを整理し、次に辞める場合のルールを確認する、という順番で考えることをおすすめします。

なぜ2年目は1年目よりつらく感じやすいのか——研究が示す「2年目のリアリティショック」

看護管理学・看護研究の分野では、学生時代や入職前に抱いていたイメージと、実際の現場との間に生じるギャップを「リアリティショック」と呼びます。1年目の「辞めたい」については看護師1年目で辞めたいと感じたときの判断基準とデータで見る実態で整理していますが、2年目は1年目とは異なる種類のリアリティショックが生じやすいことが、目白大学の鈴木洋子氏・河津芳子氏による研究で報告されています。

この研究は、関東・関西・中京圏の施設に勤務する卒後2年目看護師270名を対象にした質問紙調査で、2年目看護師のリアリティショックを構成する要因として、次の6つの因子を抽出しています。

因子 内容の方向
先輩看護師の支援不足 1年目のころと比べて、先輩からの計画的な指導やフォローが少なくなったと感じる
精神的負担 一人で判断・対応する場面が増え、精神的な負荷が大きくなる
身体的負担 夜勤を含む勤務の中で、体力的な負担を強く感じる
死にゆく患者の処置 患者の終末期や死に関わる場面への対応に、1年目以上に向き合うことになる
1人当たりの業務量の負荷 受け持ち患者数や業務範囲が広がり、業務量そのものの負荷が増す
モチベーション低下 将来の見通しや、今の仕事へのやる気そのものが下がる

同研究では、職場環境を否定的にとらえている人ほど、このリアリティショックを強く感じていたことも報告されています。1年目は先輩の厚いフォローやプリセプター制度に守られていますが、2年目になると「もう一人でできるはず」という前提で業務を任されることが増え、支援の輪から外れたように感じやすくなります。つまり2年目の「辞めたい」は、1年目のギャップとは別の種類の変化によって生じている可能性がある、ということです。

所長モヤ

所長モヤのひとこと

「1年目は平気だったのに、2年目になってつらくなった」というのは、自分が弱くなったわけではなく、研究で指摘されている「支援の輪から外れる」という構造的な変化が関係している可能性があります。まずは今の負荷が、支援・精神・体力・業務量のどこから来ているのかを分けて考えてみてください。

知恵袋などでよく見る「辞めたい理由」を整理する

「看護師 辞めたい 2年目」で検索する方が知りたいのは、多くの場合「自分と同じような状況の人が、どういう理由で、どう考えて行動しているか」という情報です。先ほどの6因子を踏まえると、2年目の「辞めたい」は大きく次のような方向に整理できます。

辞めたいと感じる方向 具体的な内容の例 考えられる対応の方向
支援不足・孤立感 相談できる先輩が減り、一人で判断する場面が増えて不安が強い プリセプター終了後の相談先(看護部・教育委員会など)を院内で確認する
精神的・身体的負担 夜勤や急変対応が重なり、気持ちと体力が追いつかない 勤務シフトの調整や、産業医・健康管理部門への相談を検討する
業務量の負荷 受け持ち患者数が増え、業務が終わらない日が続く 業務量の見直しについて、具体的な数字とともに上司に相談する
モチベーション低下 将来のキャリアが見えず、この先も続けたいか分からない 院内の他部署や、看護師資格を活かせる他の仕事の選択肢を調べてみる

ここで大切なのは、「辞めたい」という感情をそのまま「今すぐ退職する」という結論に直結させず、どの方向の悩みなのかを一度分けて考えることです。支援不足や業務量の問題であれば、院内の体制調整で変わる可能性がありますが、モチベーション低下が中心にある場合は、働き方や職場そのものを変える選択肢を検討する余地があります。

「他の仕事」を考えるなら——看護師資格を活かせる選択肢を比較する

「看護師 辞めたい 他の仕事」と検索する場合、考えたいのは「看護師という資格そのものをやめる」のか「今の職場・働き方を変える」のかという違いです。看護師免許を活かしたまま働き方を変える選択肢としては、訪問看護師やクリニック・診療所の看護師のように勤務先を変える方法と、保健師・助産師のように別の国家資格を取得して職種を変える方法があります。

職種 年収 有効求人倍率 備考
看護師 524.7万円 2.38倍 看護師免許のみで就業可能
保健師 551.4万円 1.0倍 看護師免許に加え、保健師国家試験の合格が必要
助産師 566.7万円 1.25倍 看護師免許に加え、助産師養成課程の修了・国家試験の合格が必要

(年収・有効求人倍率は令和7年度、厚生労働省 job tagのデータをもとに作成)

保健師・助産師は、今の看護師免許だけですぐに就ける仕事ではなく、別の資格取得という準備期間が必要です。一方、訪問看護師やクリニックの看護師は看護師免許のまま勤務先を変える選択肢であり、病棟とは業務量や夜勤の有無といった働き方の条件が変わります。どちらが向いているかは、2年目で感じている負荷が「病棟特有の業務量・体力面」にあるのか、「看護という仕事そのもの」にあるのかによって変わってきます。

辞める前に確認しておきたい法律と職場のルール

「辞めたいけれど、言い出し方が分からない」という悩みも多く寄せられます。ここでは、退職に関する基本的な法律のルールを確認します。民法627条1項は、期間を定めない雇用契約について「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」と定めています。つまり、正職員として期間の定めのない雇用契約を結んでいる場合、法律上は申し出から2週間が経過すれば雇用契約が終了する仕組みになっています。

確認する項目 内容
雇用契約の期間 期間の定めがない契約か、1年契約などの有期契約かを確認する
法律上の退職ルール 民法627条1項により、期間の定めのない契約は申し出から2週間で終了する
就業規則の記載 「1か月前までに申し出ること」などの規定がある場合も多いが、トラブルを避けるため早めに相談するのが現実的
相談先に迷った場合 総合労働相談コーナー(厚生労働省、全国の労働局・労働基準監督署内に設置)に無料で相談できる

就業規則に「退職は1か月前に申し出ること」などと書かれている病院も多くありますが、実際にどう進めるかは職場との関係を考えながら判断する場面も出てきます。自分だけで判断に迷う場合は、厚生労働省が設置している総合労働相談コーナーのような公的な窓口であれば、予約不要・無料で、労働条件や退職に関する相談を専門の相談員に行うことができます。

所長モヤ

所長モヤのひとこと

法律上のルールを知っておくことは、強く主張するためではなく、「自分には退職を申し出る権利がある」と落ち着いて考えるための土台になります。まずは直属の上司や看護部に相談するところから始める方が多いです。

今の職場に残る・院内異動する・転職する、判断の軸

2年目で辞めたいと感じたときの選択肢は、大きく「今の職場に残って環境を変える」「院内で異動する」「転職する」の3つに分かれます。どれが正しいというものではなく、悩みの方向によって向き・不向きがあります。

選択肢 向いているケース 確認したいこと
今の職場に残り、業務量や相談体制を調整する 支援不足・業務量の負荷が中心で、職場の体制そのものには大きな問題がない 上司や教育委員会に、具体的な困りごとを数字とともに伝えられているか
院内で異動する 今の病棟・診療科と自分の希望が合っていないと感じる 看護部に異動の希望を伝える仕組みがあるか
転職を検討する 職場の体制そのもの(人員配置・指導体制など)に起因する悩みが大きい、またはモチベーション低下が続いている 2年という在籍期間を踏まえ、次の職場でも早期に馴染めるか

転職を考える場合、看護師資格があれば求人への応募自体は可能ですが、2年目という在籍期間の短さは次の面接で聞かれる可能性が高いため、「なぜ辞めたいのか」を自分の言葉で整理しておくことが次の一歩につながります。転職エージェントを使って情報収集する場合の選び方は、看護師の転職エージェントの選び方でも整理していますので、あわせて参考にしてください。

心身の不調を感じているときに優先したいこと

夜勤や業務量の増加が重なり、眠れない、食欲がない、気分が落ち込むといった状態が続いている場合は、転職や退職の判断よりも先に、心身の状態を整えることを優先してください。先ほどの研究でも、精神的負担や身体的負担がリアリティショックの構成要因として報告されており、負荷への対応が難しい場合は不調につながりうることが示されています。

職場の産業医やメンタルヘルス相談窓口がある場合はまずそちらに相談し、職場に相談しづらい場合は、かかりつけの医療機関や、厚生労働省の総合労働相談コーナーのような公的な窓口も選択肢になります。転職はあくまで選択肢のひとつであり、心身の不調そのものを解決する手段ではありません。無理をして働き続けることも、不調を抱えたまま転職活動を進めることも、どちらも避けたい状態です。

まとめ

看護師2年目で「辞めたい」と感じることは、研究で報告されている「2年目特有のリアリティショック」を踏まえると、特別に珍しいことではないとわかります。

「辞めたい」という気持ちをすぐに結論に結びつけず、まず悩みの方向を整理し、必要であれば公的な窓口や院内の相談先を使って落ち着いて考えてみてください。

出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報の整理です。給与・求人状況は地域や時期で変わるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。